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遮熱塗装で光熱費は下がる?効果の仕組みと期待できる範囲|富山・石川

遮熱塗装で光熱費は下がる?効果の仕組みと期待できる範囲を解説するアイキャッチ(富山・石川の遮熱・断熱塗装のニチエイ)

「遮熱塗装をすると光熱費が下がる」——屋根の塗り替えを調べていると、こうした説明をよく目にします。実際のところ、どこまで期待していいものなのでしょうか。

先に結論からお伝えすると、遮熱塗装で下がる可能性があるのはおもに夏の冷房にかかる分です。そして北陸の家庭では、冷房がエネルギー使用に占める割合はそれほど大きくありません。今回は富山・石川で遮熱・断熱塗装を手がける株式会社ニチエイが、遮熱塗装と光熱費の関係を、日本産業規格(JIS)と国の統計をもとに、期待できる範囲と、期待しすぎないほうがよい範囲に分けて整理します。

「光熱費が下がる」と言われる仕組み

遮熱塗装が光熱費につながる道すじは、次のような連鎖です。

  • 屋根に当たった日射のうち、熱になりやすい波長を塗膜が反射する
  • 屋根表面の温度上昇が抑えられる
  • 小屋裏を通って室内へ伝わる熱が減る
  • 冷房の運転が軽くなり、その分の電気の使用量が減る

ここで押さえておきたいのは、これが4段階の間接的なつながりだという点です。1段目の「反射」は塗料そのものの性能で決まりますが、2段目から先は屋根の素材、日当たり、断熱の状態、住まい方によって変わります。「塗れば電気代が何割下がる」と一律には言えないのは、このためです。

遮熱塗料の性能には、JISという物差しがある

とはいえ、1段目の反射性能については公的な物差しがあります。JIS K 5675「屋根用高日射反射率塗料」です。建築物の屋根・屋上に塗る自然乾燥形エナメル系の塗料を対象にした規格で(防水層の仕上げ剤として使う塗料や焼付け形の塗料は対象外です)、おもに次のことが定められています。

  • 近赤外波長域日射反射率……波長780〜2,500nmの日射をどれだけ反射するかの割合。遮熱塗料が主に狙うのはこの領域です
  • 全日射反射率……300〜2,500nmの全波長域の反射率。こちらは基準値を定めず、試験結果を報告することになっています
  • 合否の判定式……明るさの指標である明度(L*)で場合分けし、明度が40.0以下なら近赤外波長域日射反射率は40.0%以上、40.0を超え80.0未満なら明度の値以上、80.0以上なら80.0%以上

この判定式には、色と遮熱の関係が表れています。明るい色ほど高い反射率が求められ、濃い色ほど規格が求める水準は低く設定されているということです。ただし、これは濃い色の遮熱塗料に意味がないという話ではありません。同じ規格は、明度が80.0未満の領域(低明度領域・中明度領域)の高日射反射率塗料を、同じ明度の一般的な塗料よりも日射反射率を高める材料を使い、反射率とその保持率などの品質が一定水準で保証されるもの、と定義しています(3.1)。この規格に適合する製品であれば、濃い色でも、同じ明るさ(明度)の普通の塗料より反射率を高める設計がなされているということです。色の考え方は外壁塗装の色選びのコツ|汚れにくさと遮熱性から考えるでも取り上げました。

北陸の家庭で「冷房」が占める割合は小さい

今回いちばんお伝えしたいのが、ここです。環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)」令和5年度の確報値には、地方別に、世帯当たり年間の用途別エネルギー消費構成比が示されています。富山・石川を含む北陸地方の内訳は次のとおりです。

  • 照明・家電製品等……32%
  • 暖房……30%
  • 給湯……30%
  • 台所用コンロ……5%
  • 冷房……4%

全国平均は暖房22%・冷房5%ですので、北陸は全国よりもさらに暖房に寄った地域だと読み取れます。実数で見ると、北陸の1世帯当たり年間エネルギー消費は暖房10.3GJに対して冷房1.3GJ——暖房は冷房のおよそ8倍です。

数字の読み方について、2点だけ補足します。ひとつは、この用途別の内訳は調査から推計して求めた値だということ(環境省は「用途別エネルギー消費量の推計手順」という参考資料を別に公開しています)。もうひとつは、これはエネルギー消費量の構成比であって、光熱費の金額の構成比ではないということです。電気・都市ガス・LPガス・灯油では単価が違うため、金額の比率はこの通りにはなりません。それでも、家庭のエネルギーがどこに使われているかの大まかな比率は読み取れます。なお、この統計の「北陸」は新潟県・富山県・石川県・福井県の4県で、上の数字はその平均値です。

遮熱塗装が働きかけるのは、このうち冷房にあたる部分です。エネルギー消費に占める冷房の比率から考えると、年間の光熱費全体を大きく動かす工事とは言いにくい、というのが正直なところです。「光熱費が半分になる」といった説明を見かけたら、いったん立ち止まっていただきたいと思います。

いっぽうで、割合が小さいことと、価値が小さいことは別の話です。夏は2階の部屋が使えない、寝苦しい、エアコンをつけてもなかなか涼しくならない——こうした困りごとは、金額よりも暮らしやすさの問題です。屋根からの熱そのものを抑える考え方は富山で2階が暑い家の対策|遮熱塗装で夏の室温を抑える方法で詳しくまとめています。

効果の出方を左右する4つの条件

同じ塗料を使っても、感じ方に差が出ます。差が生まれるおもな理由は次の4つです。

▶ 屋根の素材と日当たり
熱を伝えやすい金属屋根や、一日を通して日射を受け続ける屋根ほど、抑えられる熱の量は大きくなります。逆に、屋根が大きな木の陰に入っている、隣家で午後は日が当たらないといった立地では、その分の余地が小さくなります。

▶ 色(明度)
前述のとおり、JISの判定式そのものが明度によって基準を変えています。濃い色を選べば、遮熱グレードであっても反射率は控えめになります。景観や好みとの兼ね合いで決めることになります。

▶ 建物の断熱と気密
住まいに出入りする熱は、屋根だけを通っているわけではありません。壁の中の断熱材、窓やサッシ、換気、家の気密性がそれぞれ関わります。遮熱は「入ってくる日射を反射する」働きで、「入った熱の移動を緩やかにする」断熱とは役割が違います。この違いは遮熱塗料と断熱塗料の違い|仕組み・効果・選び方で整理しています。

▶ 経年での変化
塗膜は塗った直後の状態のままではありません。JIS K 5675が屋外暴露耐候性の項目で、暴露後の近赤外波長域の日射反射率保持率を平均80%以上と定めているのは、反射率が時間とともに変化しうることを前提にしているためです。長い目で見るなら、初期の数値だけでなく、耐候性や汚れにくさもあわせて見ておくのが現実的です。当社が主力にしている塗料も、この観点から選んでいます。

光熱費のために、塗り替えを前倒しすべきか

ここまでを踏まえて、当社の考えをお伝えします。一般のご住宅では、光熱費の節約だけを理由に、まだ時期の来ていない塗り替えを前倒しすることは、おすすめしていません。ご家庭の冷房の割合を考えると、工事費を光熱費の差で取り戻すという発想は現実的ではないからです。

そのかわり、塗り替えの時期が近づいているのなら、遮熱グレードは十分に検討する価値があります。屋根や外壁の塗装には、紫外線・雨風から建物を守るという本来の役割があります。どのみち足場を組んで塗るのなら、そのときにどの塗料を選ぶかという判断です。同じ工事の中で暑さ対策を上乗せできる、と考えていただくのがちょうどよい距離感だと思います。

なお、ここまでの話はあくまでご住宅の場合です。屋根の面積が広く、空調を長時間動かしている工場・倉庫・店舗では、冷房が占める比率も、抑えられる熱の総量も住宅とは大きく変わります。事業用の建物については、別途ご相談ください。

塗り替え時期の目安は屋根の塗り替え時期の目安|富山・石川で見る色あせ・コケ・チョーキング、遮熱・断熱塗装の仕組みそのものは遮熱・断熱塗装についてのページとあわせてご覧ください。

富山・石川で相談するときに確認したいこと

遮熱塗装の見積りを取るときは、次のあたりを聞いてみてください。判断の材料がそろいます。

  • 提案された塗料はJIS K 5675に適合する製品か、日射反射率の数値は公表されているか(この規格は屋根用です。外壁の遮熱塗料には適用されないので、外壁はメーカーが公表している反射率の数値で確認します)
  • その数値は、実際に選ぼうとしている色のものか(標準色の代表値と指定色では変わります)
  • 屋根の下地・防水紙の状態は確認済みか(傷みが進んでいれば、塗装ではなくカバー工法や葺き替えの検討になります)
  • 効果の説明が、条件つきの言い方になっているか

最後の項目は特に大切です。「必ず何度下がります」「電気代が何割安くなります」と数字を断定する説明は、建物の条件を見ないまま話していることになります。当社では、現地を見せていただいたうえで、見込める範囲と見込めない範囲の両方をご説明するようにしています。

株式会社ニチエイは、富山県・石川県全域で遮熱・断熱塗装や屋根・外壁の塗り替えを手がけています。建物診断とお見積りは無料です。「夏の2階の暑さをどうにかしたい」「そろそろ塗り替えだが、遮熱にする意味があるのか知りたい」——そんな段階のご相談でも構いませんので、富山・石川で迷われている方はお気軽にお声がけください。

出典:日本産業規格 JIS K 5675:2011「屋根用高日射反射率塗料」(1 適用範囲、3.1〜3.4 用語及び定義、5 品質 表1、7.8 試験方法)、環境省「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 資料編(確報値)」(令和7年6月25日公表・参考図2-22「地方別世帯当たり年間用途別エネルギー消費量」および参考図2-23「地方別世帯当たり年間用途別エネルギー消費構成比」/PDFの紙面168ページ=PDFファイルの180ページ目)。用途別の値は「用途別エネルギー消費量の推計手順(参考資料)」にもとづく推計値です。いずれも2026年9月10日確認。本記事では、環境省の公表値をもとに構成比の並べ替えと暖房・冷房の比の計算(株式会社ニチエイによる加工)を行っています。遮熱塗装の効果の感じ方は、建物の構造・断熱状況・立地・住まい方によって異なります。

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