金属の外壁の塗り替え|トタン・ガルバリウムの錆と下地処理|富山・石川
トタンやガルバリウム鋼板、金属サイディングなど、金属の外壁を塗り替えるときは、モルタルや窯業系サイディングとは少し違う注意点があります。いちばん大きいのは、金属は傷んでくると錆が出ること、そして塗料を長持ちさせるには錆落としと下塗りが欠かせないことです。
今回は富山・石川で屋根・外壁塗装や遮熱塗装を手がける株式会社ニチエイが、金属の外壁の種類、塗り替えを考えたいサイン、塗装工事で確かめたい工程、塗装では直しきれないケースを、国の工事仕様書と建材メーカーの公開資料をもとに整理します。
金属の外壁にはどんな種類がある?
住宅や倉庫・工場の外壁に使われる金属の外壁材は、鋼板の表面をめっきで覆い、その上を塗装して仕上げたものが中心です。代表的なものは次のとおりです。
- トタン(亜鉛めっき鋼板):鋼板を亜鉛のめっきで覆ったもの。古い住宅や倉庫・車庫の外壁によく見られます。
- ガルバリウム鋼板:鋼板をアルミニウムと亜鉛を主成分とする合金めっきで覆ったもの。一般にアルミ55%・亜鉛43.4%・シリコン1.6%の組成が知られ、JISでは「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」に分類されます。
- 金属サイディング:ガルバリウム鋼板などを外壁用の形に加工した外壁材です。断熱材と一体になった製品もあります。
建材メーカーのアイジー工業は、ガルバリウム鋼板について、アルミの耐食性と亜鉛の犠牲防食作用(亜鉛が先に溶けて鋼板を守る働き)が組み合わさるため錆びにくく、トタンと比べて耐久性が高いとされる、と説明しています。一方で「錆びにくいことと、錆びないことは別です」とも書いており、立地や部位によっては想定より早く劣化が進むことがあるとしています。
塗り替えを考えたいサインと、見ておきたい場所
アイジー工業は、ガルバリウム鋼板の塗り替えの検討サインとして、色あせ、チョーキング(触ると白い粉が付く)、細かな錆、傷の増加を挙げています。塗り替えの時期は一般に10〜15年程度が目安として語られるものの、日射や立地で前後するため「年数より症状で判断するほうが確実」としています。
同社が点検で見る場所として挙げているのは、接合部、切断面、板金の端部、ビス周り、雨樋の詰まりなどです。また、雨が当たりにくい軒下や取り合い部(部材どうしが接する部分)などは乾きにくく、塩分や粉じんが残りやすいため、局所的に腐食が進むことがあるとしています。同社は、錆が起きやすい代表例として、切断面や深い傷、異種金属との接触によるもらい錆、塩分や鉄粉の付着なども挙げています。
小さな赤錆や塗膜の浮きは初期のサインです。地上から見える範囲で気になる箇所があれば、写真に残しておくと相談のときに役立ちます。ただし、2階の外壁など高い所をはしごに登って確かめるのは危険です。高所はご自身で無理に確認せず、点検を業者に依頼してください。水切りや雨樋など、外壁のまわりの部材の傷み方は付帯部の塗装とは|軒天・雨樋・破風板・水切りの傷み方と注意点で解説しています。
金属の外壁の塗り替えは「錆落とし」と「下塗り」が要
金属の外壁の塗装で仕上がりと持ちを左右するのは、上に塗る塗料のグレードだけではありません。国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」を見ると、金属面の塗り替えで何を大事にしているかがよくわかります。この仕様書は国の公共建築の改修工事のためのもので、住宅の工事にそのまま当てはまるものではありませんが、工程の考え方の参考になります。
傷んだ塗膜と錆を落とし、まだしっかりした塗膜は残す
この仕様書では、塗り替え前の下地調整を、鉄鋼面と亜鉛めっき鋼面で別々の表に分けて定めています。どちらも、特記がなければ標準とされるのは「RB種」で、その内容は「ディスクサンダー、スクレーパー等により、劣化しぜい弱な部分、錆等を除去し、活膜は残す。」というものです。そのうえで、汚れや付着物をワイヤブラシ等で取り除き、油類を溶剤でふき取り、研磨紙で全面を平らに研磨する工程が続きます。
この錆や傷んだ塗膜を落とす作業は、一般に「ケレン」と呼ばれます。アイジー工業も「局所的な錆は、ケレンなどの処理が甘いと再発しやすいので注意が必要です」としています。
錆止め(下塗り)も、素地(鉄か亜鉛めっきか)で使い分ける
仕様書は、下地調整のあとに塗る錆止め塗料についても、鉄鋼面と亜鉛めっき鋼面で別の表を設けています。亜鉛めっき鋼面の表には、変性エポキシ樹脂プライマーや一液形変性エポキシ樹脂さび止めペイントなどが並び、仕上げに使う塗料の種類によって、どれを使うかが決められています。アイジー工業も、ガルバリウム鋼板に適した下塗り材の選定、錆部の処理、乾燥時間の管理まで含めて提案できる業者を選ぶと失敗しにくい、としています。
見積りを受け取ったら、次の点を確かめておくと安心です。
- 下地調整(ケレン)の内容:錆をどこまで、どのような方法で落とすのか。
- 下塗り(錆止め)の塗料名と回数:外壁の素材に合った下塗り材になっているか。
- 錆が出ている箇所の扱い:錆止めを部分的に重ねるのか、補修や部材の交換が必要なのか。
見積書全体の見方は外壁塗装の費用相場と内訳|富山・石川で見積書を比べるポイントで整理しています。また、同じ仕様書は気温5℃以下や湿度85%以上など塗料の乾燥に適さないときは、採暖・換気等を適切に行う場合を除いて塗装を行わないとしています。冬の工事の考え方は富山・石川の気候と塗装工事|雪・寒暖差に負けない塗り替えの考え方をご覧ください。
塗装では直しきれないケースもある
塗装は、塗膜を新しくして金属を守る工事です。そのため、すでに錆で穴が空いている、腐食が広い範囲に広がっている、雨漏りが続いているといった状態では、塗装だけでは根本的な解決にならないことがあります。アイジー工業も、下地まで傷んでいる場合は「外壁は張り替えも視野に入れます」としています。また、金属の外壁にできたへこみは、部分的にきれいに戻すのが難しく、範囲によっては張り替えが必要になるとしています。
張り替えのほかに、既存の外壁の上から新しい金属の外壁材を張るカバー工法(上張り)という方法もあります。当社でも、錆が進んで穴が空き、雨のたびに倉庫の内壁まで雨水が入り込んでいた金属外壁を、ガルバリウム鋼板のカバー工法で改修した事例があります(富山市塚原 M社様 倉庫の外壁改修工事)。ただし、カバー工法が向くかどうかは既存の外壁や下地の傷み具合によって変わり、張り替えが適する場合もあります。アイジー工業も、カバー工法は万能ではなく、下地が腐食している、雨漏りが進行している、通気や防水の納まりが確保できないといった条件では不利になるとしています。塗装で足りるのか、カバー工法や張り替えが必要なのかは、現地で外壁の状態を見てから判断することになります。
塗り替えまでの間にできるお手入れ
金属の外壁は、表面に付いた汚れや塩分をそのままにしないことが長持ちにつながります。メーカーの資料では、次のようなお手入れが案内されています。
- 水でやさしく洗い流す:アイジー工業は、立地にもよるものの、年に1回程度を目安に水でやさしく洗い流すだけでも錆のリスクを下げる効果が期待できる、としています。特に雨が当たりにくい軒下や壁の凹部は汚れが残りやすいため、重点的に確認するよう案内しています。
- 傷や錆を放っておかない:アイジー工業は、錆の予防策として、傷は早めに補修すること、錆びやすい部材(ビスなど)を適切なものにすることを挙げ、「錆は初期対応が最も効く劣化」としています。気になる傷や錆を見つけたら、早めに相談してください。
お手入れは、地面に立って手の届く範囲にとどめてください。洗い方や洗剤は製品によって指定が違うことがあるため、外壁材のメーカーがわかる場合はその案内も確認しておきましょう。
まとめ|金属の外壁は錆の状態を見てから工法を決める
トタンやガルバリウム鋼板、金属サイディングは、錆びにくくする工夫がされた外壁材ですが、錆びないわけではありません。色あせやチョーキング、端部やビス周りの小さな錆が見えてきたら、塗り替えを考えるタイミングです。塗装では、錆と傷んだ塗膜を落とす下地調整と、素材に合った下塗りが仕上がりと持ちを左右します。穴あきや広い範囲の腐食があるときは、カバー工法や張り替えも含めて検討することになります。
株式会社ニチエイは、富山県・石川県全域で、遮熱・断熱塗装、屋根・外壁塗装、防水工事に対応しています。お見積りは無料です。「金属の外壁に錆が出てきた」「塗装で済むのか、張り替えが必要なのか知りたい」といったご相談からでも構いませんので、富山・石川で金属の外壁の塗り替えをお考えの方はお気軽にお問い合わせください。サービス内容はサービスのご案内をご覧ください。
出典:国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」7章(7.1.6=紙面187ページ(PDFファイルの191ページ目)、7.2.3 表7.2.2・7.2.4 表7.2.3=紙面189ページ(PDFファイルの193ページ目)、7.4.2 表7.4.1・表7.4.2=紙面200〜201ページ(PDFファイルの204〜205ページ目))、アイジー工業株式会社「ガルバリウム鋼板とは?外壁・屋根で人気の理由と基礎知識」(同社サイト「お役立ち情報コラム」)。いずれも2026年10月22日確認。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
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